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肩こりマッサージでは不十分な理由

 名古屋市北区の骨盤調整・整体院 ふるさわ指圧治療院です。

 肩がこった時にマッサージしてもらうのは、とても気持ちのいいものです。しかしながら、それだけでは一時的な効果しか得られません。では肩こりの症状に対し、マッサージだけで不十分な理由は何でしょうか?根本的に肩こりを解消するには、原因をよく理解した上で、土台である骨盤から整えることが重要です。

目次

肩こりの原因

 肩こりは筋肉が緊張して硬くなり、それによって血行不良になり発痛物質であるブラジキニンなどが蓄積して痛みを発します。筋肉が緊張するのは、元をたどれば骨盤が歪んだことにより、その上に乗っている脊柱が弯曲することが原因です。脊柱が湾曲すると、人体の防衛反応として、それ以上歪みが進行しないように筋肉や靭帯を固めて阻止しようと働きます。よって肩にコリができるのは、筋肉を固めることで自分の体を守る必要があるからなのです。肩こりはいわば、自分の体によって作られたプロテクターみたいな存在です。

仙腸関節のズレが筋肉のこりを生み出す

 脊柱の上部が歪めば肩こりにつながりますが、脊柱の下部が歪めば腰のこりにつながります。『腰こり』という言葉はありませんが、肩こりと同様の症状が腰部で起これば筋筋膜性腰痛となります。慢性的に腰が張っている感じがしたり、腰の周りが全体的に重い感じがするのは、このようなメカニズムで起こっています。場所が違うので呼び方も違っていますが、起きている現象としては同じことです。

肩こり対策としてマッサージだけでは不十分な理由

理由その1 マッサージは一時的な効果しかない

 肩こりを解消するために、マッサージを受けて一時的に楽になることはあっても、またすぐに体は防御の必要性を感じて固まる方向に進んでいきます。脊柱の歪みが改善されていない以上、根本的には何も変わっていないのです。よって数日後には、再び肩こりを感じるようになってしまいます。

 例えるならば、老朽化した家に地震対策として筋交いなどの補強工事を行ったのに、わざわざその補強を取り外してしまうようなものです。補強を取り外したものの、やっぱり不安定だと感じれば結局は再度補強することになります。マッサージを受けているにもかかわらず、一向に改善しているように感じないのはそのためです。

理由その2 コリの場所が移動するだけになってしまう

マッサージと骨盤調整の効果の違い

 上の図はマッサージと骨盤調整による施術効果の違いを、水枕の中の空気に例えて表現しています。

水枕の空気は、『こり』を意味しています。
水枕は、『人間の体』を意味しています。

左側の絵は、マッサージの効果を表しています。

 マッサージにより一時的に肩こりは軽くなりますが、次に弱い部分に痛みが移ります。例えば肩こりが減った代償として、首の痛みになったりします。これは脊柱の歪みの総量が減っていないため、脊柱上部の歪みが減少した分は必ず他で増加するからです。まるで水枕の空気(=こり)が移動するかのようです。マッサージでは、水枕の空気の量が変わっていない=こりの量は変わっていません。よって単にこりがグルグルと全身を循環するだけとなってしまい、全身の症状改善には至っていません。

右側の絵は、骨盤調整の効果を表しています。

 骨盤調整においても、こりの位置は刻々と変化していきますが、同時にこりの量も減っています。これは骨盤調整により脊柱の歪みの総量が減ったことを意味しています。このように、骨盤調整はトータルで右肩上がりに改善していく効果が期待できます。

肩こりを解消するには?

 それでは肩こりを解消するにはどうしたらよいでしょうか?肩こりを解消したければ、肩がこらなくてもいいような体にしなければなりません。人間の体の立場からすれば、危機的な状況を察知して筋肉を固めているので、逆に言えば危機的な状況でなくなれば固まることはなくなります。危機的な状況ではない体とは、土台である骨盤が整っていて、その上に乗っている脊柱の湾曲が少ない状態です。脊柱が比較的ストレートに近い状態であれば、脊柱の周辺の筋肉は守って固める必要がなくなるので、必然的に肩こりが少なくなります。

肩こり解消に必須な骨盤調整

 今までマッサージしか受けたことのない方にとって、骨盤調整というのは馴染みがないかもしれません。骨盤調整とは、簡単に言えば骨盤の歪みを整える手技です。専門的になってしまいますが、骨盤には後上方にある仙腸関節と言われる左右一対の関節と、前下方にある恥骨結合と言われる関節があります。その3カ所の関節のズレを整えるのが骨盤調整です。

 当院では、足と手を使った骨盤調整を行っています。この手技によって骨盤の歪みを整え、さらに骨格調整や指圧によって脊柱の歪みを整えていきます。

 ここまでマッサージについて色々と述べてきましたが、決してマッサージがダメということではありません。当院でも肩を含めた全身の指圧を行っています。骨盤調整と指圧を併用するのであれば、骨盤調整による効果を持続させることができるので、相乗効果が期待できます。また指圧をするもうひとつの目的として、施術前後で全身の状態がどのように変化したかを確認しています。

 効果確認をしない治療は、治療とは言えません。

肩甲骨ほぐし運動

 ご家庭で出来る肩甲骨周囲の筋肉をほぐす運動をご紹介します。肩甲骨の動きを意識して行いましょう。1日1セット10回を目安に行いましょう。

肩甲骨ほぐし運動

肘を体の真横より後ろに引くことで、肩甲骨周りの筋肉がよく動きます。

肩甲骨の内側をほぐす

 ご家庭で出来る肩甲骨の内側のコリをほぐす方法をご紹介します。

肩甲骨の内側をテニスボールでほぐす

 硬式のテニスボールを1個使用します。イラストのように仰向けになって、肩甲骨の内側にテニスボールを当てて下さい。斜線部で痛い部分を探して体重をかけます。

ただしこの方法は、一時的にコリをほぐす効果しかありません。

 この方法は、背骨沿いや臀部にも応用できます。(基本的には背中側に当てます。) 

うつ伏せになって、腹部(下腹部、鼡径部)、頸動脈等の血管走行部位に当てることは絶対にしないで下さい。お腹の奥には太い動脈が走っていて、強い刺激により損傷する危険があります。

まとめ

 肩をマッサージしてもらうのは気持ちの良いものですが、それだけでは一時的に痛みを緩和する効果しかありません。私自身もかつては肩が石のように硬く、こんなに硬いのは初めてとよく言われていました。施術者が悲鳴をあげて、指がもたないほど硬かったのです。あまりの硬さに指で押してもほとんど沈まなかったのです。今では柔らかく弾力も出て、肩こりとは無縁になりました。もしマッサージしか受けてこなかったとしたら、今でも相変わらず硬いままだったでしょう。

 今までマッサージしか受けてこなかった方は、この機会に骨盤を整えることの重要性を知っていただき、今後の健康管理の参考になれば幸いです。

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