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尻や鼠径部が痛い原因は仙腸関節障害かも

 名古屋市北区の骨盤調整・整体院 ふるさわ指圧治療院です。

 巷では、腰痛の80%以上は原因不明と言われています。そして画像検査で原因が見つからないと、なにかと精神的な問題とされてしまうのが現状です。お尻や鼠径部(そけいぶ)、脚等の痛みで悩んでいる方は、仙腸関節障害が原因かもしれません。これからご説明する症状に該当する方は、保存療法の第一選択肢として、骨盤調整を受けていただくことをお勧めします。

目次

仙腸関節障害とは?

仙腸関節(骨盤模型)
仙腸関節(骨盤模型)

 仙腸関節(せんちょうかんせつ)に偏った負荷が繰り返しかかったり、日常生活の何気ない動作により、仙腸関節にズレが生じてロックしてしまい、仙腸関節の滑らかな関節の動きが出来なくなることを、仙腸関節障害といいます。仙腸関節とは、骨盤中央にある仙骨と、その両サイドにある腸骨(寛骨の一部分)を連結する関節です。寛骨は、腸骨・坐骨・恥骨の三つの部位で構成されています。

 さらに、このように仙腸関節がロックしている状態で無理な負荷がかかると、仙腸関節の癒着を強引に引き剝がすことになってしまい、炎症を起こしてしまうことがあります。これを仙腸関節炎といいます。これは、部屋の壁紙に貼ってあるポスターを一気に剥がすことで、壁紙が破れてしまうのに似ています。

仙腸関節障害の症状

上後腸骨棘と仙結節靭帯
上後腸骨棘と仙結節靭帯

 仙腸関節障害(仙腸関節炎)の症状としては、お尻、鼠径部、股関節部、腰部、骨盤沿いのすぐ上側、下肢の痛みやしびれが挙げられます。お尻の中でも、上後腸骨棘(骨盤後方のポコっと出っ張った部分)近辺や仙結節靭帯(仙骨と坐骨をつなぐ靭帯)付近に痛みが好発し、これらを圧迫すると痛みが出ます。また鼠径部、股関節周辺に痛みを訴える方も多いです。これは骨盤が歪んで上前腸骨棘が内側に閉じることで、周辺の筋肉が引きつられて固くなることにより痛みが出てきます。また下肢の中でも、太もも裏の外側に痛みを訴える方が多いです。これらの痛みは、仙腸関節障害の起こっている片側に出ることが特徴です。また痛みの位置は比較的はっきりしており、ここが痛いですと指差すことが出来ることも特徴です。

 これらの痛みやしびれは、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアと似ているため、間違えられることがしばしばあります。しかしながら、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアでは、神経の走行ルートに沿って痛みが発生するのに対し、仙腸関節障害が原因の痛みは、神経の走行ルートとの因果関係はありません。レントゲンやMRIなどの画像検査で異常が見つかると、痛みの原因はこれであると関連付けたくなるものですが、最近では必ずしもそうではないということがわかってきました。

 その他、仙腸関節障害の症状としては、下記のような特徴があります。

  • 仰向けに寝ることができない。
  • 痛い方を下にして寝ることができない。
  • 寝返りするときに痛みが出る。
  • 長時間椅子に座っていると痛みが増悪する。
  • 正座は問題なくできる。
  • 椅子から立ち上がるときに痛みが出る。
  • 動き始めに痛みが出る。
  • 靴下を履く動作のように、前かがみになると痛みが出る。
  • 側屈、後屈、回旋運動でも痛みが出る。
  • 重度のケースでは、長時間歩くことができない。
  • 出産後に痛みが増悪した。

仙腸関節障害の徒手検査(ニュートンテスト)のやり方

 仙腸関節障害の徒手検査(ニュートンテスト)のやり方をご紹介いたします。これによって、仙腸関節に異常があるかどうかをテストします。

ニュートンテストのやり方(模型)
ニュートンテストのやり方(模型)
ニュートンテストのやり方
ニュートンテストのやり方
  1. 患者さんにうつ伏せに寝てもらいます。
  2. 仙骨に両手を添えます。
  3. 真下にゆっくりと軽く加圧します。
    この時、仙腸関節に痛みが生じたら、仙腸関節障害の疑いがあります。

仙腸関節障害の治療

 仙腸関節障害(仙腸関節炎)の治療法としては、当院では骨盤調整をメインとして、その他に全身の骨格調整と指圧を行います。治療期間の大まかな目安としては、軽度の場合は1~5回、重度の場合は週1~2回ペースで1~数か月程度です。当然症状が出始めてから早い段階で治療を受けていただいた方が、回復にかかる時間は少なくて済みます。逆に適切な治療法にたどり着けず、最初に症状が出始めた頃から何年も経過している場合は、回復にかかる時間は長くなる傾向があります。また仙腸関節に強めの炎症が起きている場合も、回復にかかる時間は長くなる傾向があります。また一旦炎症が起きてしまうと、原因である仙腸関節のロックを解除したとしても、急に炎症が収まることはなく、炎症が収まるまでにはある程度の期間が必要です。

 治療頻度としましては、最初の頃はなるべく治療間隔を詰めていただき、様子をみながら徐々に間隔を空けていただくことをお勧めします。ロケットが重力に逆らって大気圏を脱出するまでに、大きなエネルギーを必要とするように、治療においても最初の頃は集中して治療に専念する必要があります。

まとめ

 当院にご来院される患者さんは、それまでにたくさんの治療を転々とされてきた方が多いです。ご自身の症状を手掛かりとして、インターネットで一生懸命になって調べて、紆余曲折を経て「仙腸関節」にたどり着いています。長年に渡り苦しんでこられたとしても、最終的に「仙腸関節」にたどり着けたとしたら、それだけでも幸運な方だと思います。なぜなら、世の中のほとんどの人はこの「仙腸関節」の重要性に気付くことなく一生を終えてしまうからです。仙腸関節の存在に早く気付いた人ほど、きっとその後の人生を快適に過ごせるようになるでしょう。この機会に仙腸関節と骨盤調整について理解を深めていただき、現在ご自身が抱えている悩みの現状突破のきっかけになることを願っています。

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