古澤 克幸 (ふるさわ かつゆき)
1972年12月生。あん摩マッサージ指圧師。名古屋市北区、守山区を拠点に一人で出張専門治療院を運営。京都仏眼鍼灸理療専門学校卒。自然良能会に弟子入り修行し、骨盤調整法を習得。小3~中3まで野球に励む。16歳頃に体を左に思いっきりひねる運動を繰り返し、骨盤と骨格をひどく歪め、長年に渡りどん底を彷徨う。そこから這い上がってきた経験を活かして日々の治療に励んでいる。
Q & A
施術家を志したきっかけ
私は16歳のとき、無理な体操により骨盤と背骨と頭蓋骨をひどく歪め、下痢、吐き気、胸焼け、食欲不振、ガスがたまる、嚥下障害、食べ物を飲み込む時にむせる、窒息感、倦怠感、胸部圧迫感、動悸、息切れ、ほてり、排尿痛、飛蚊症、鼻血、口腔内の腫れ、顔面のこわばり、ろれつが回らない、声がかすれる、難聴、皮膚のかゆみ、眼球突出、抜け毛、目の乾燥、めまい、ふらつき等、書ききれないほどの体調不良に陥りました。
私の骨盤はひどく歪み、脊柱は大きく歪んで肋骨は左側に大きく出っ張り、全身がガチガチに硬直してしまいました。私の肩や首は本来の筋肉の柔らかさが全く無く、まるで石のように硬くなっていたのです。さらに頭蓋骨が歪んだ影響で顔面の筋肉はこわばり、話すときに口が上手く動かせなかったり、血流が悪くなって歯茎や舌が腫れて痛くなったり、のどが詰まって息苦しくなったりしていました。
最初は何が原因で発症しているのか全く理解できませんでした。病院で検査を受けても原因がわからず、様子をみてくださいと言われるだけでした。当時の私は毎日下痢が続いていて、一日あたり5~6回はしている状態でした。常にひどい吐き気があって食事が喉を通らず、異常な倦怠感で動けない状態が続いて原因を探す日々が続きました。
17歳のとき偶然本屋で自然良能会前会長の五味雅吉先生の本を読み、骨盤の仙腸関節がズレて背骨が歪むと自律神経が障害され、さまざまな内臓疾患が引き起こされることを知りました。そこで私の体調不良の原因が骨盤と背骨を歪めたことにあるのを初めて理解するに至ったのです。
それから私は自然良能会での骨盤調整法の治療を開始しましたが、あまりにひどく歪めてしまったので、回復までの道のりは決して平坦ではありませんでした。 追い打ちをかけるようにうつ病になり、毎日死ぬことばかり考えるようになりました。もう一生かけても治らないのではと絶望したこともありましたが、自然良能会の骨盤調整法に助けられ、自分自身による毎日の治療のおかげもあり、なんとかここまで回復することが出来ました。
私自身の身体が回復に向かうにつれ、今度は私が社会に還元したいと自然に考えるようになりました。そしてかつての自分と同じように逆境に立たされている患者さんを救うべく、施術家になる決意をしました。今どん底で暗闇の中にいる方でも、どうか諦めずに希望を持って正しい努力を積み重ねていただきたいと思います。患者さまが再び笑顔を取り戻せるよう、私自身の経験を最大限に駆使してサポートさせていただきます。
どん底でもがき苦しんでいる方へ
可逆的変化とは、一度変化しても再び元に戻ることが出来ることを意味します。不可逆的変化とは、一度変化してしまったら再び元の状態に戻ることが出来ないことを意味します。
可逆的変化と不可逆的変化をもう少しわかりやすくするために、ジグソーパズルで例えてみましょう。長い年月を経たジグソーパズルは、いくつかのピースがはがれ落ち、部分的に破損してしまいました。ここからジグソーパズルを修復したいと思います。しかしながら、はがれたピースを元の位置に戻すことは可能ですが、部分的に破損したピースを元の新品の状態に戻すことは不可能です。前者は可逆的変化であり、後者は不可逆的変化であると言えます。
可逆的変化としては、骨盤や脊柱の歪み等が挙げられます。可逆的変化であれば必ず治る道は残されています。不可逆的変化としては、骨自体の変形や関節軟骨の摩耗、椎間板が潰れて薄くなる等が挙げられます。不可逆的変化が起こっている部位に関しては元に戻すことは難しいですが、決して諦めることはありません。その条件下での最善を尽くすことは出来ます。
実際にどん底まで落ちてボロボロだった私の体でも、地道に努力を積み重ねて、ここまで改善することが出来ました。私自身もかつては全く先が見えず、暗闇のトンネルの中にいるような絶望的な気持ちを抱いていました。とにかく苦痛に耐えながら体を治すだけの日々が続き、何度心が折れそうになったかわかりません。途中何度も何度も停滞を経験し、そのたびに打開策を見つけながら一段づつ昇っていきました。途中からは道が途絶えてしまっていたので、自分自身の一歩一歩により道を開拓していきました。特に頭蓋骨の歪みに関しては、なかなか有効と思える治療に出会えなかった為、ほぼゼロからのスタートとなりました。困難の連続でしたが、自分自身で試行錯誤を繰り返し、現在ではかなり良いレベルまで頭蓋骨の歪みを整えることが出来ました。
私の経験上から体を治すためのコツを少しアドバイスをさせていただきますと、皆さんが抱えている症状改善が思うように進まず、停滞が長期化するということは、何かが足りないということを意味しています。停滞を打破するためには、固定概念を無くし頭を柔らかくして、仙腸関節という軸は持ちつつも、今までの治療法から変化をつけるべきです。
宮本武蔵は五輪書の中で、2度目まで同じ手法で失敗をするのはよいが、3度目も同じ失敗をしてはいけないと説いています。効き目がないと感じているのにも関わらず、また同じ戦術を選択するのはナンセンスだということです。もちろん治療にはある程度の忍耐が必要で、2回の治療で判断するのはあまりに早すぎます。しかしながら半年間コンスタントにしっかりと治療を継続したにも関わらず、思うような結果が出ずに停滞しているようでしたら、他の選択肢を考えなければならず、それは当院の治療においても例外ではありません。
治療を続けていくと、いつか必ず壁にぶつかります。停滞しているときは、たいてい思い込みが邪魔をしているものです。そのたびに思い込みを無くして、何が足りないのか?を考えて試行錯誤を繰り返すうちに、その壁を乗り越えて一段昇ることが出来ます。さらに進んでいくとまた新たな壁にぶつかりますので、また自分で考えて対策を実践し、乗り越えていきます。このように繰り返すうちに、ふと後ろを振り返ってみると、いつしか自分だけの道が出来上がっているのです。
私自身を振り返ってみると、もう少し頭を使って理論的に考えて努力を重ねていれば、もっと早く回復出来たのにと思います。複雑に絡まった糸を解くのに、力に頼ったり、むやみに引っ張ったところで解けるはずはありません。冷静にどう絡まっているのかを見極めながら、一カ所づつ順番に解いていけば、やがて複雑に絡まった糸でも元に戻す事ができるのです。
最後に頼れるのは自分自身です。受け身の姿勢は停滞を招きます。主体的になって、自分自身の足で一歩一歩昇っていただきたいと思います。道無き道を行くのは大変なことですが、一旦出来上がった道を行くのは比較的楽です。私は先を歩いてきた者として道しるべとなって、正しい道を一歩一歩昇っていけるように、背中を押すお手伝いをさせていただきます。