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ぎっくり腰の原因と対策

 名古屋市北区の骨盤調整・整体院 ふるさわ指圧治療院です。

 一般的には「ぎっくり腰」としてなじみがありますが、正式名称は急性腰痛症といい、文字通り急性的に発症する腰痛を指します。それでは早速、ぎっくり腰の原因と対策についてご説明していきたいと思います。

目次

ぎっくり腰とは?

 ぎっくり腰とは、急な運動で腰の筋肉や筋膜、椎間関節、仙腸関節などがダメージを受けて、急性的に発症する腰痛の俗称です。医学的には「急性腰痛症」といいます。仙腸関節がロックした状態で急な動作をした時に、上記の各部分に無理な負荷がかかって、炎症を起こして発症します。画像検査で骨や神経根圧迫などの異常はみられません。

  • 腰を丸めた状態で重いものを持ち上げたとき
  • あぐらをかいていて、前方の物を取ろうとして手を伸ばしたとき
  • くしゃみをしたとき
  • 前かがみの状態から後ろにひねったとき
  • 靴下を履いたとき

など急激な負荷がかかったり、ふいに体勢を変えた時に発症します。

ぎっくり腰を発症した作業員

ぎっくり腰の原因

仙腸関節の緩衝機能がぎっくり腰を予防

 仙腸関節には緩衝機能があり、例えるならば「ドアクローザー」に似ています。ドアクローザーは、ドアを閉める際に急に閉まらないようにする機能があります。このおかげで静かにゆっくりとドアが閉まります。 仙腸関節も同様で、全身動作をする際に停止時に少しだけ柔軟に動いてくれることでエネルギーを吸収し、筋や筋膜がダメージを受けないように保護してくれています。

仙腸関節はドアクローザー

 

 正常な仙腸関節は緩衝材の役目を果たし、急な運動停止時でジワーっと動いてエネルギーを吸収してくれます。さらに筋肉に柔軟性があるため、急な運動に対し柔軟に伸縮できて筋肉や筋膜はダメージを受けず、ぎっくり腰を回避できます。

正常な仙腸関節は滑らかに動く

仙腸関節の緩衝機能低下により筋肉や筋膜が損傷

 仙腸関節がズレてロックすると動きが悪くなり、全身の骨格の歪みにつながり、筋肉を緊張させ柔軟性を失ってしまいます。そのような状態で急激な運動をすると、筋は柔軟に伸縮出来ません。また急に動作をストップした時にエネルギーを吸収できず、ガツンとダイレクトに衝撃が加わり、ブチッと腰の筋肉や筋膜がダメージを受けて炎症を起こし、ぎっくり腰になります。新しい輪ゴムはよく伸びますが、古い輪ゴムは柔軟性を失い容易に切れてしまうのに似ています。

筋筋膜性のぎっくり腰

仙腸関節が炎症を起こす

 また仙腸関節がロックして、固まっている状態で無理にはがすような力が加わると、仙腸関節炎となり強く痛みます。激しくなくても、ごく軽い日常作業でも起こります。治りきっていない「かさぶた」を強引にはがすと出血するのに似ています。 

仙腸関節炎

 また仙腸関節は前かがみ姿勢で緩み、反る姿勢で締まるので(イラスト参照)、前かがみではズレやすく、重い物を持ち上げるとズレて炎症を起こしてしまいます。そして患部は熱をもち、強烈な動作時痛を発します。仙腸関節炎になると長時間座れなくなったり、臀部、鼠径部、太もも、ふくらはぎなどにも痛みが生じるのが特徴です。私が以前ぎっくり腰になったときは炎症が全身に及んで熱をもち、風邪をひいたように節々が痛みました。

仙腸関節は前屈で緩み、後屈で締まる

ぎっくり腰の対策

骨盤調整によるぎっくり腰の治療

 ぎっくり腰になってしまったら、早めに骨盤調整による治療を受けていただくことをお勧めします。治療の頻度としては、痛みが引くまでは週2回が目安です。ぎっくり腰を何度も繰り返している方や体全体が固い方は、それ以上の治療頻度が必要となる時もあります。 

 ぎっくり腰は患部が炎症を起こしているので、炎症が収まるまで痛みは続きます。炎症の特徴として一旦起きてしまった炎症は、すぐには収まりません。骨盤調整による治療を受けて2~3日後から徐々に痛みが引いていくことが多く、たいていは5回以内で痛みが軽快していくことが多いです。

腰痛やぎっくり腰の治療法については、下記のページで解説していますので、合わせてご覧ください。

安静にし過ぎず、こまめに腰回し運動を

 ぎっくり腰になったら安静第一ですが、寝てばかりでは回復が遅れてしまいます。長時間じっとして固めてしまうと、再び動き出す時に痛みが増してしまいます長時間イスに座って固めてしまうと、強烈な痛みで立ち上がれなくなります。電車移動の際は、短時間でしたら立ちっぱなしの方がむしろ腰への負担は少ないです。なるべく固めないように、少々痛みが出る範囲内でこまめに動かすことが大切です。1時間に1回程度後述する「腰回し運動」をすることをお勧めします。  

起床時は要注意

 また起床時はぎっくり腰になりやすいので注意が必要です。睡眠時は長時間体を動かさないため、体全体が固まっています。真冬の寒い時期だったらなおさらです。前かがみになって顔を洗う時や便座のフタを上げる時など、ちょっとした前屈動作でもぎっくり腰を発症しやすいので気を付けましょう。また重い荷物を持ち上げる際は、背中を丸めてはいけません。荷物に近づいて重心を落としてから、背筋を伸ばして持ち上げましょう。  

物理的な原因による腰痛は、動作時に痛みを感じます。それに対し、安静時痛(じっとしていても痛い)があるときは注意が必要です。すい臓がん、大腸がん、骨のがん、化膿性脊椎炎等の可能性もありますので、早めに医療機関にかかりましょう。化膿性脊椎炎とは、背骨や椎間板が黄色ブドウ球菌などの細菌に感染することで、腰痛や発熱がみられる疾患です。

ぎっくり腰の予兆

 ぎっくり腰を何度か経験したことがある人はわかると思うのですが、ぎっくり腰になる前には予兆があり、何気ない日常動作の中でも違和感を感じるようになります。地震に例えるならば、大きな本震が発生する前の小さい前震です。なんとなく急に動くとやらかしてしまいそうな予感がするのです。そんな予感はたいてい的中するもので、ギクッとやらかしてしまい、痛い辛い思いをする事になってしまいます。やらかしてしまいそうな予感というのは、仙腸関節が固まって動きにくくなっているために、運動中に仙腸関節が衝撃を吸収してくれないから動くのが怖く感じるのです。

 予兆の段階では日常生活に支障はなく、我慢できるレベルですので、ついつい対策が後手後手に回りがちになります。しかしながら、違和感を感じた段階ですでに仙腸関節はロックをしており、いつ本震が来てもおかしくない状態になっています。地震の発生を防ぐことは出来ませんが、ぎっくり腰を未然に防ぐことは可能ですので、先手の対策をしましょう。

腰回し運動のやり方

 ご自宅でできる腰部の緊張緩和に効果的な、腰回し運動のやり方をご説明いたします。回す時に頭や肩が大きくブレてしまうと、腰を大きく回しているようにみえて、実際には腰部があまり回っていないという事がよくあります。下記のように正しいフォームをマスターして、腰部にしっかりと効かせるように行いましょう。

腰回し運動
  1. 足を肩幅ぐらいに開きます。
  2. 骨盤に両手を当てます。
  3. 骨盤をフラフープを回すように、円を描きながら小さく回します。慣れてきたら徐々に大きな円にしましょう。
  4. 20回ごとに左右交代で行います。
ポイント
  • 自分の身体に1本の軸を作り、それを中心に回します。
  • 上体をなるべく動かさずに骨盤だけを回すようにします。
  • 両肩は水平を保ちます。
  • 背筋を伸ばして真っ直ぐ前を向きます。

腰椎圧迫骨折との見極め

 65歳以上の方はぎっくり腰と似た症状で、腰椎圧迫骨折の可能性があります。腰椎圧迫骨折は、腰椎になんらかの負荷がかかることで背骨が潰れて骨折します。高齢者で骨粗しょう症の人が、転倒などをきっかけに発生します。骨粗しょう症とは、骨の内部がスカスカになって、強度が低下する疾患です。『いつのまにか骨折』とも言われるように、きっかけが思い出せず徐々に進行することもあります。

 男性より女性に圧倒的に多く、閉経後に急激に骨密度が低下することが原因となって発症します。好発部位はT10~L2です。(腰部やや上方。) 動作開始時や体勢変換時に激しい腰痛がみられます。また起き上がる時は痛むが、一旦起きてしまったらわりと楽であるというのも特徴です。

腰椎圧迫骨折

下記項目に該当する方は、一度医療機関にかかることをお勧めします。

  • 65歳以上
  • 背骨の歪みが大きくなった
  • 腰が大きく曲がってきた
  • 身長が3cm以上低くなった
  • 腰痛がある
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